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2027年以降、いわゆるミニマムタックスの大幅な強化が予定されていることを受け、2026年中の海外移住を検討されている方もいらっしゃると思います。
国外転出時課税の対象となる場合、まず検討すべき重要な論点の一つが「納税猶予を利用するかどうか」です。
納税猶予は、税負担を将来に繰り延べることができる一方で、利子税、担保提供や継続的な手続対応といった負担も伴います。そのため、単純に「使えば有利」というものではなく、個々の状況に応じた検討が必要です。
本記事では、納税猶予を利用するかどうかを判断をするうえで前提となる基本的なフレームワークについて整理します。
<制度比較>
| 出国時に納税 | 納税猶予 | |
|---|---|---|
| 納税管理人届の提出 | ○任意 <提出する場合> ・出国日の時価で算定 ・申告納付は翌年3/15まで ・翌年3/15までに対象資産を譲渡した場合、実際の譲渡価額で申告可 <提出しない> ・出国日の3ヶ月前の日の時価で算定 ★申告納付は出国日まで | ×必須 出国日の時価で算定 ★出国日の3ヶ月前の日の時価は使えない |
| 出国時の納税資金の準備 | ×必要 | ○不要。但し、要担保提供 |
| 担保提供手続・出国後の届出 | ○なし | ×あり |
| 利子税 | ○なし | ×あり |
| 株価下落時の引き直し | ×不可 | ○可能 |
| 出国税の取消期間 | ×5年 | ○10年 |
| 贈与税・相続税の10年ルール | ○出国時から日本非居住者 | ×猶予期間中は日本居住者 |
<出国後の株価変動への対応>
| 出国時に納税 | 納税猶予 | |
|---|---|---|
| 株価が上がる場合 | ○対応不要 出国後の値上がり益は日本で課税なし、売却時の居住国で課税 | ×納税猶予の期限経過or任意取りやめor売却により、猶予税額+利子税を納付 |
| 株価が下がる場合 | ×5年以内に帰国して課税取り消し(5年超経過の場合は救済なし) | ○10年以内に帰国して課税取り消し。または、納税猶予の期限経過or売却により、下落後の株価で算定した猶予税額+利子税を納付 |
利子税
担保提供時の計算:猶予税額×猶予期間×原則年7.3% ※特例として利子税特例基準割合の決定分の利用可(2026年1.3%)
実際納付時の計算:猶予税額×猶予期間×(7.3%と利子税特例基準割合(1%前後)のいずれか低い税率)
※納付時には納付年までの特例基準割合が決定のため
ミニマムタックス
2026年:3.3億円超は22.5%
2027年:1.65億円超は30%
※帰国して課税取り消し、その後、再出国の場合は再出国時の税制が適用
弊所では、国外転出時課税に関する対応方針のアドバイスや、納税猶予の手続、申告書の作成などのご支援を行っております。ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
当コラムは2026年4月現在の税制に基づいて作成しており、読者の皆様のご理解を深めるために内容を簡素化している場合がございます。また、具体的な状況によって課税関係が変わる可能性がありますので、記載情報に基づいて行動される前に、弊所までご相談して頂ければと思います。
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